小笠原の生き物

クジラ、イルカ、サメ、カメ。もちろん植物や鳥、昆虫、さらには鉱物や地質など様々ですが、ボートで行くツアーで会えるのは海で生活する生き物たちです。
夏は鏡のようなツルツルした油のような水面をイルカが船と並走したり、飛ぶというより滑るように綺麗な羽を広げてグライドするカツオドリ。
今時期であれば近づいても合体に忙しい交尾しているアオウミガメに、時には50メートルを超える距離を飛ぶトビウオなどが観察できます。
冬は北の海から遠路遥々小笠原まで帰ってくるザトウクジラ、強面だけどおとなしく威風堂々と泳ぐ姿がかっこいいシロワニ。
羽を広げると2メートルを超え時速80キロで飛ぶアホウドリ類と、季節で観察できる生物が変わってくるのも小笠原を惹きつける魅力のひとつです。
これらの紹介した生き物たちは島の生物のほんの一部ですが、島の生活に身近に接しています。
クジラは昔の重要な燃料で、小笠原近海はたくさんのクジラが取れると欧米では有名で、捕鯨時代は食料補給や休息に立ち寄る重要な場所でした。
トビウオは強烈な匂いがするくさやの材料になっていたし、シロワニは水深2メートルの浅瀬にきて冬なら簡単に観察する事ができます。
長く島に住んでいるとこれらの生物がいる事が、日常であり当たり前になってきます。
ただ、この中には絶滅危惧種のものや、調査が十分に行われていなくてデータが少なく生態がいまだによくわかっていない生物もいます。
それは海で会える生物に限らず、陸で会える昆虫や植物、マイマイも然りです。
これらの動植物を未来に引き継いでいくために、地元島民や行政、内地の研究機関などがたくさんの保全活動をしています。
中には終わりが見えない問題があるのも事実ですが、できることは自然に対して常に謙虚であることだと思っています。
これから島も夏に向かい、たくさんのお客さんがたくさんの出会いを期待を胸に来島されます。
簡単に壊れてしまうものすごく脆い海洋島の自然を守るために、自分ができる配慮をして頂きたいと思います。
この先何十年、何百年後も島のあるべき姿が変わらないようによろしくお願いします。
2025年05月08日 09:25